闇に包まれた世界に一人の足音が響く。
暗闇を物ともせず、闊歩するシガイには目もくれず。
荒廃したインソムニアを、青年を抱えた男が歩いていた。
「ほら、見えてきた」
懐かしいでしょ?と男が促す先には高く聳え立つ城がある。
かつて青年が暮らした場所。
…今はまるで墓標のようだった。
「オレたちの城だ。これからあそこで暮らすんだよ」
死が二人を分かつまでね。そう言って笑う男の目はどろりと濁り、黒い液体が流れ出している。
俯く青年の虚ろな目からも、同じ黒い液体が溢れていた。
「…死なねーんだから、分かたれる事なんてないだろ」
「うん、そうだね。ずっと一緒だ」
呟かれた声に嬉しそうに返し、青年の額にキスを一つ。
人が絶え、死に逝く星に、2人の王が寄り添っていた。
***************
お題チャレンジ終了です。
10枚描くのは大変でしたが、アデノクたくさん描けて楽しかったです。
改めてエロは難しいと思い知りました…どうしたら描けるようになるのか…(-"-;)
何はともあれ、ここまでお付き合いくださり有り難うございました。
後でイラストページに纏めます。
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